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大腸がん

大腸がんとは

大腸がんとは大腸がんは大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍で、日本では食生活の欧米化により罹患数が増加しており、がん罹患数で第1位、がん死亡数で第2位です。
大腸は約1.5~2メートルの長さを持ち、S状結腸と直腸がんが特に多くみられます。
原因には高脂肪・高たんぱくの食事や遺伝的要素があり、大腸ポリープが悪性化することもあれば、直接悪性腫瘍として現れることもあります。
治癒率は約80%で、早期発見と治療により治りやすいがんの一つです。

大腸がんの初期症状

大腸がんの初期症状大腸がんは初期には症状がほとんど出現しません。
ただし、以下のような症状が出現した場合には、医療機関を受診してください。

  • 腹部膨満感
  • 腹痛
  • 残便感
  • 便秘と下痢を繰り返す
  • 便が細くなった
  • 貧血の症状が続いている
  • 便に血や粘液が混じったり、 下血したりする

大腸がんになると
おならが増える?

大腸がんが進行すると、おならが増えることがあります。
これは、腫瘍によって大腸内の通過が妨げられ、食物の消化が滞り腸内ガスが増加するためです。
また、がん細胞の代謝産物や腸内細菌叢の変化がおならの臭いを変える原因になることもあります。

大腸がんになると
貧血がおこる?

大腸がんによる貧血は、がんからの慢性的な出血により鉄分が失われることで起こります。
これは鉄欠乏性貧血と呼ばれ、血液検査によって発見されることがあります。

症状の少ない大腸がんに
気づくきっかけとは?

大腸がんの早期発見は、予後に大きな影響を与えますが、症状が少ないため気づきにくい疾患です。
以下のような症状がみられた場合は、一度医療機関に相談しましょう。

意図しない急激な
体重減少

がんの発生により、タンパク質や脂肪が分解されるため、食事や運動習慣が変わらないのに体重が減ることがあります。
ダイエットなどしていないのに急激な体重減少が見られる場合は、すぐに医師に相談する必要があります。

腹部の張りや痛み

大腸がんによって便通が悪くなり、腹痛や腹部の張りが生じることがあります。
盲腸や上行結腸などの場所では、便が固形になっていないため、腹痛がはっきりとしないこともあります。

血便が出た

大腸がんが発生すると、新しい血管が作られますが、これらの血管は脆弱です。
便と接触することで出血が起こり、血便として現れます。
血便が見られた場合は、大腸カメラ検査を受けることが重要です。

貧血の症状がある

大腸がんからの出血により貧血が起こることがあります。
貧血は、ふらつきやめまいなどの症状を引き起こす可能性があります。

腸閉塞になった

がんが大きくなり、便が腸内を通れなくなる状態です。
腸閉塞に伴い、腹痛や吐き気・嘔吐などの症状が引き起こされます。
緊急手術が必要になる場合もあります。

大腸がんの原因

大腸がんの原因野菜や果物の摂取不足や運動不足、肥満、飲酒などの生活習慣が関係しているとされています。
近年、高脂肪・低繊維の欧米型食生活の普及により、大腸がんの罹患が増加しています。
これは、食物繊維の摂取減少によって大腸内で便が停滞しやすくなり、発癌物質が長時間大腸内に留まることで、腸粘膜にダメージを与え癌化を促進するためと考えられます。

大腸がんの検査方法について

大腸がんは早期発見により治る可能性が高くなります。
早期発見できるように、定期的な検診を受診することが重要です。

大腸カメラ検査

内視鏡を用いて大腸内を直接観察し、小さな腺腫や早期がんを確認します。
当院では、お一人おひとりに合わせた量と種類の鎮静剤を使用し、安全で確実な検査を行っております。

大腸カメラ検査について
詳しくはこちら

便潜血検査

便に混じるわずかな血液を検出し、大腸がんやポリープの可能性を調べる簡単で食事制限の必要がない検査です。

大腸CT検査

炭酸ガスを注入して大腸を膨らませ、CT撮影による3次元画像で大腸の病変を確認します。
下剤量が少なくすむことや、短時間で終わるため、体への負担が少ないです。
また、大腸だけでなく腹部全体の臓器を診断できるため、腹部の他の疾患も発見できる可能性があります。

大腸がんの治療法

大腸がんの治療法は、がんの進行度合いに応じて異なります。

早期の大腸がんの治療

粘膜内視鏡または粘膜下層に留まる大腸がんに対しては、内視鏡的な切除が可能です。
ただし、がんの範囲が広い場合には手術が必要となることもあります。

進行した大腸がんの治療

筋層より深く進行し、周囲の血管やリンパ管への浸潤やリンパ節への転移が疑われる場合には、原則として手術が必要です。
転移がある場合には、化学療法が手術と併用されることがあります。