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血便が出たらまず知ってほしいこと〜見逃してはいけないサイン・症状と受診の目安〜

こんばんは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。

3月も後半戦ですね。あっという間に雪が溶け、あっという間に桜の季節を迎え・・

子供の頃の時間の感覚と全く違う毎日を過ごしております。。

これから、この速度は加速をしていくのでしょうか??

本日も、ブログを書かせていただきます。

今回は、また血便についてです。受診の多くの患者さんが心配されて来院される「血便」の症状です。

以前のおさらいも含めて、もう一度解説をさせていただきますね!

 

① 血便=すぐ大腸がん?ではありません

血便が出ると、多くの方が
「大腸がんではないか」と不安になります。

実際には、血便の原因は非常に幅広く、
必ずしも重い病気とは限りません。

代表的な原因は以下の通りです。

  • 痔(いぼ痔・切れ痔)
  • 大腸ポリープ
  • 大腸がん
  • 憩室出血(高齢者に多い)
  • 虚血性腸炎
  • 感染性腸炎
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病
  •  
  • などなど・・

実際、下部消化管出血の原因の頻度では、
憩室出血・虚血性腸炎・痔などが多いとされています

 なんだ、安心だな、というわけでもなく、
血便=がんと決めつける必要はないが、放置も危険
というバランスが重要です。

 

②血液の色である程度の予想ができる

 

 

血便は「色」である程度、出血部位のおおよその推測ができます。

■ 鮮やかな赤(鮮血便)

  • 肛門〜直腸に近い出血
  • 痔・直腸病変などが多い

■ 暗い赤色

  • 大腸の奥(上行結腸など右側の大腸から)
  • 憩室出血・腫瘍など

■ 黒色便(タール便)

  • 胃・十二指腸など上部消化管。
  •  
  • 黒色べんに関しては、重症度・緊急度が高い状態が一部まぎれており、
  • しっかりとした評価が必要となります。

 

例外もあり、
上部消化管の大量出血でも血便になることがあります。
その時は、緊急性も高く、一刻も早い治療介入が必要になります。


もし自宅で出血をなさった際には、写メ・画像撮影(私たちの世代は写メと言っていますが)
をして、来院いただけると大変助かります。

 

③危険な血便のサインとは・・

 

 

以下の症状を伴う場合は、早急な受診が必要です。

  • めまい・ふらつき・動悸(貧血症状)
  • 大量出血(トイレが真っ赤になる)
  • 血便が続く(数日以上)
  • 腹痛を伴う
  • 発熱・下痢(感染症の可能性)

特に
血便がなくても貧血症状だけで出血が隠れていることもあるため注意が必要です。

健康診断で指摘されるような、ゆっくりと進む貧血がある際にも、受診をおすすめします。

 

 

④若いからといって、安心ができない理由

 

 

 

「ちょっとした出血くらい、若いから大丈夫」と思われがちですが、

  • 潰瘍性大腸炎
  • 感染性腸炎

などは若年でもよく見られます。

腸炎の原因としても、こちらには挙げていないものも多くはありますが、

潰瘍性大腸炎など、早期の発見・治療介入が望ましい病気も一部隠れていることがあります。

また近年は
若年層の大腸がんも増加傾向と報告されており、
血便を軽視するのは危険です。

 

 

⑤放置するとどうなってしまうの?

血便の背景にある疾患によっては

  • 出血性ショック
  • 貧血の進行
  • 癌の進行

などにつながる可能性があります。

特に
腫瘍や炎症性疾患は「早期発見で予後が大きく変わる」ため
早めの評価が重要です。

繰り返す血便は決してそのままにすることなく、
医療機関をまずは受診していただくことをおすすめします。

 

⑥受診の目安について

 

 

以下に当てはまる場合は受診をおすすめします。

すぐ受診が望ましいケース

  • 大量出血
  • ふらつき・動悸あり
  • 黒色便
  •  

数日以内に受診が望ましいケース

  • 血便が繰り返す
  • 腹痛・下痢を伴う
  •  

出血が1回でも検討が望ましいケース

  • 原因がわからない血便
  • 40歳以上
  •  

 

⑦ 検査が怖い、辛くて受診をためらう時には

検査をしましょうと言われると・・

受けたことがないので、検査が辛いのが心配

受けたことがあり、検査が辛いのが知っている

などさまざまなケースがあります。

ですが、血便の中には放置をすべきでない病気も紛れているのは事実です。

血便は今こそ、検査を受ける機会と考え
今後病気によって生活が困らないようにするための第一歩が検査と捉えていただくのが良いかと思います。

大腸カメラは
診断と同時に治療(ポリープ切除など)も可能であり、
最も有用な検査です。

少しでも辛くない検査を受けていただけるよう、当院でもさまざまな工夫をご提案させていただきます。

 

 

Q&A(よくある質問)

 

 

Q1. 下着に血がついていたのですが、1回だけなら様子見でいいですか?

 

 痔の可能性などもありえますが、原因不明なら一度は大腸カメラによる評価をおすすめします。
痔だと思っていたけど実際は、というケースにならないように、早めに対処いただくことをおすすめします。

 

Q2. 痛みがない血便は大丈夫ですか?

 

 むしろ注意が必要です。大腸がんやポリープ、痔の一部は無痛のことが多いです。

痛みの有無に関わらず、出血をきたしている原因は調べるというのが一番安全とも考えられます。

 

Q3. トイレットペーパーに少しつく程度でも受診すべき?

 

繰り返しにはなりますが、1度だけでなく、数回それらが認められる場合は受診をおすすめします

(痔だけとは限りません)。

 

Q4. 下痢と血便が同時にありますが、大丈夫なのでしょうか?

 感染性腸炎や炎症性腸疾患の可能性があります。

早めの受診をおすすめいたします。


Q5. 大腸カメラは必ず必要ですか?

 原因不明の血便では、最も信頼性の高い検査のため推奨されます。

なるべく辛くないように、早めの検査を受けていただくことが大事なことと、私たちクリニックも考えています。

 

 

まとめ

 

血便は

 よくある症状だが見逃してはいけないサインでもあります。

重要なポイントは

  • 原因は多様(軽症〜重症まで)であり、
  • 色・症状で多少は判断できますが、放置にはリスクがあります。

「一度きりでも気になる血便」は、早めの相談が安心です。

何か私たちクリニックでお力になれることがあれば、お申し付けください。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

 


 

参考文献

  1. Strate LL, Gralnek IM. Management of patients with acute lower gastrointestinal bleeding. Am J Gastroenterol. 2016.
  2. 下部消化管出血診療ガイドライン・救急マニュアル

この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
少しでも辛くない検査をより多くの方に届けられるよう、スタッフ一丸となってより良い診療を提供します。