血便、下血!どうする?? まずは相談してみてください。受診のサインと考える病気
― 見逃してはいけないポイントを消化器内科医が解説します ―
こんにちは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治(うがじ)良平です。
今回は、外来でもよくご相談を受ける「血便」についてのお話です。
「トイレで血がついていて驚いた」
「痔だと思うけど、病院に行くべきか迷っている」
「受信しても、検査を一方的に勧められるだけなのではないか」
こうしたお悩みは決して珍しいものではなく、いきなり予期しないところで血便が見られたら、、びっくりしちゃいますよね。
驚いてどうしたらいいかわからなくなってしまうこともあると思います。
自覚された血便の中には早めに調べたほうがよい病気が隠れていることもあります。
血便とはどんな状態?
血便とは、
便に血が混じる、または便とは別に血が出る状態を指します。
見え方はさまざまで、
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鮮やかな赤い血が下着やお尻についている
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トイレの後にペーパーに血がつく
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便の表面に血が付着している
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黒っぽい便(タール便)になった
など、人によって異なります。
医学的には、赤い血を「血便」と表現し、赤黒いと黒い血をまとめて「下血」という呼び方をしています。
血便で考えられる主な病気

血便の原因は一つではありません。代表的なものを挙げます。
● 痔(いぼ痔・切れ痔)
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排便時に鮮血が出る。痛みを伴うこともある。
比較的よくある原因ですが、自己判断は注意が必要です。
なぜなら、他の病気が隠れていることの判断が難しいことがあるためです。
● 大腸ポリープ
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自覚症状はほとんどありません。
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便潜血や血便をきっかけに見つかることが多く、小さい状態で発見されれば、その場で治療を行うこともできます。
大腸ポリープの中でも一部は将来的にがん化する可能性があり、早めに対応することで負担が少なく治療を終えることができます。
● 大腸がん
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初期は症状が乏しいことも多いです。
がんによる症状が出現するようになると、それなりに大きい病変、進行がんで見つかってしまうこともあります。
● 大腸炎(感染性・虚血性・潰瘍性大腸炎など)
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血便+腹痛、下痢、発熱などで発症することがあります。
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急に症状が出るケースもあります。
痛みや下痢・腹痛などを伴う血便の場合は、注意が必要です。
早めの受診をお勧めするサイン
次のような場合は、早めに消化器内科を受診してください。
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・血便が 繰り返し出てしまう
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・便が細くなった
・便秘と下痢を繰り返している -
・体重が減ってきた
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・腹痛・発熱などの排便以外の症状を伴っている
「様子を見ているうちに落ち着いた」
という場合でも、原因がはっきりしないままになっていることがあります。
よくあるご質問(Q&A)

Q1:鮮血なので痔だと思うのですが、検査は必要ですか?
A:痔が原因のことも多く見られますが、血液の状態だけで大腸の病気を正確に区別することはできません。
特に40歳以上の方は、一度大腸の検査をおすすめします。
Q2:1回だけ血が出ました。様子見でいいですか?
A:一時的なこともありますが、原因がわからないまま放置することは避けてください。
Q3:血便があっても痛みがないのですが、そのまま様子を見ても良いですか?
A:痛みがない血便だからこそ、診断をつけるべき病気が隠れていることがあります。
腹痛やお尻の痛みなどの症状の有無だけで判断しないことが大切です。
Q4:大腸カメラが怖いのですが、他の検査はありませんか?
A:大腸を調べる検査として、他にはCT検査、大腸CT検査、大腸バリウム検査などの選択肢があります。
その中でも原因を正確に調べるためには大腸内視鏡検査が最も確実と考えられます。当院では鎮静剤を使用した検査も行っています。
まとめ
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いかがでしたか?
「痔だから大丈夫だろう」と思っていても、大腸の病気が隠れていることも否定はできません。
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特に40歳以上の血便は要注意です。
早めに検査をして大腸を調べることで、安心につながることも多いです。
検査で病変が見つかったら治療に着手できる
検査で病変が見つからなかったら、安心ができる
いずれにおいても、検査のメリットは存在すると思います。
血便は、体からの大切なサインです。
病気を心配されている方も、悩まずにどうぞ受診をなさってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献:
血便をみたら 消化器内視鏡 2015.10 vol 27
内科救急診療指針 2022. 一般社団法人 日本内科学会
内科診断リファレンス エビデンスに基づく究極の診断学をめざして 医学書院


