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腹痛が続く人は検査した方がいい?その腹痛、「いつもだし・・」で済ませていませんか?検査受けなきゃいけないの?

 

こんばんは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。

日中はずいぶん暑くなってきましたね。

夏がそろそろ近いんじゃないの・・っていうくらい、からっとした良い1日でしたね!

さて、今回は、「腹痛と検査」についてお伝えします。

 

お腹が痛いときには、皆さんは

 

自分で様子を見たり、

市販の薬を買ってみたり、

それでも改善がなければ受診を考える・・

という選択をされているでしょうか。

腹痛の受診のタイミング、腹痛の主な原因について今回はお話をさせていただきます。

 

0. はじめに

 

 

「お腹が痛いけど、少し様子を見ればよくなるかな」
「便秘やストレスのせいだと思っている」
「何日も続いているけれど、病院に行くほどではない気がする」

このように、腹痛を我慢している方は少なくありません。

腹痛は普段からよくある症状ですが、
食べすぎ、冷え、便秘、一時的な胃腸炎、ストレスなどで起こることもあります。

一方で、腹痛が長く続く場合や何度も繰り返す場合には、胃や腸の病気が隠れていることがあります。

特に、腹痛に加えて、「便秘・下痢」、「血便」、「体重減少」、「貧血」、「便が細くなった」などの変化がある場合は注意が必要です。

 

1. 結論:腹痛が続く場合は、一度消化器内科で相談をおすすめします

 

 

腹痛が一時的で、数時間から1日程度で自然に軽くなり、食事や水分もとれている場合は、急を要さないこともあります。

しかし、腹痛が数日以上続いている場合や、良くなったり悪くなったりを繰り返している場合は、一度原因を確認した方が安心です。

 

特に次のような症状がある方は、早めの受診をおすすめします。

・腹痛が数日以上続いている

・同じような腹痛を何度も繰り返す

・便秘や下痢が続いている

・血便がある

・黒っぽい便が出る

・便が細くなった

・お腹の張りが強い

・吐き気や嘔吐がある

・体重が減ってきた

・貧血を指摘された

・夜間に腹痛で目が覚める

・便潜血検査で陽性だった

 

腹痛は、痛む場所や続き方、便の変化、年齢、過去の病気によって考える原因が変わります。

「たぶん便秘だろう」
「ストレスだと思う」
「胃腸炎が長引いているだけだろう」

自己判断してしまうと、本来見つけるべき病気を見逃してしまうことがあります。

 

2. 腹痛が続くときに考えられる主な原因

 

 

a. 便秘・ガスだまり

便秘やガスのたまりは、腹痛の原因としてよくあります。

下腹部が張る、排便後に楽になる、数日便が出ていない、便が硬いという場合は、便秘が関係していることがあります。

ただし、注意が必要なのは、急に便秘が強くなった場合です。

以前は普通に出ていたのに便秘が続くようになった、便が細くなった、血が混じる、お腹の張りが強いという場合には、大腸の中に通過を妨げる病変がないか確認が必要になることがあります。

b. 過敏性腸症候群

ストレスや生活リズムの乱れをきっかけに、腹痛と下痢、便秘を繰り返す病気があります。

これを過敏性腸症候群といいます。

命に関わる病気ではありませんが、症状が長く続くと、仕事や日常生活に大きく影響します。

また、腹痛と便通異常があるからといって、すべてが過敏性腸症候群とは限りません。

初めて症状が出た方、症状がだんだん強くなっている方、血便や体重減少を伴う方は、他の病気が隠れていないか確認することが大切です。

c. 胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

みぞおちの痛み、胃もたれ、吐き気、空腹時の痛み、食後の痛みがある場合は、胃や十二指腸の病気が関係していることがあります。

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などが原因となることがあります。

ピロリ菌感染、痛み止めの内服、飲酒、ストレスなどが関係することもあります。

症状が続く場合には、胃カメラで胃や十二指腸の状態を確認することがあります。

d. 大腸ポリープ・大腸がん

大腸がんは、早期では症状がほとんど出ないことがあります。

進行してくると、血便、便秘、下痢、腹痛、便が細くなる、残便感、お腹の張り、貧血、体重減少などが出ることがあります。

特に注意したいのは、腹痛だけでなく、便の変化を伴う場合です。

最近便秘が強くなった

下痢と便秘を繰り返す

便が細くなった

血が混じる

お腹が張る

便が残る感じがする

このような症状がある場合は、大腸カメラで大腸の中を確認する意義があります。

また、大腸ポリープは症状がないことも多いですが、一部は将来的に大腸がんにつながる可能性があります。
腹痛や便通異常をきっかけに検査を行い、ポリープや早期の病変が見つかることもあります。

e. 感染性腸炎・炎症性腸疾患・憩室炎など

腹痛に加えて、下痢、発熱、血便、強いだるさがある場合は、腸に炎症が起きている可能性があります。

一時的な感染性腸炎で改善することもありますが、症状が長引く場合や、血便を伴う場合は注意が必要です。

潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患、憩室炎、虚血性腸炎などが隠れていることもあります。

「胃腸炎だと思っていたけれど、なかなか治らない」という場合には、早めにご相談ください。

 

もちろん、そのほかにも考えなければいけない病気は多数あります。

消化器疾患以外にも、婦人科の病気も一定数紛れていることがあります。

症状を教えていただき、問診からも病気の「鑑別」を外来では行なっていきます。

 

 

3. すぐに受診した方がよい腹痛

 

 

 

繰り返すようですが、次のような症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
症状が強い場合は、救急受診も検討してください。

今まで経験したことがない強い腹痛

痛みがどんどん強くなる

発熱を伴う

嘔吐を繰り返す

お腹が強く張っている

便やガスが全く出な苦なった

血便や黒い便が出る

冷や汗、ふらつき、顔色不良がある

体重が減っている

貧血を指摘された

腹痛で夜に目が覚める

腹痛は、軽いものから緊急性の高いものまで幅があります。

特に、痛みが強い、急に悪化した、血便や嘔吐を伴う、発熱があるという場合は、我慢せず受診してください。

 

 

4. 腹痛が続くとき、どんな検査をする?

 

 

 

腹痛があるからといって患者さん全員に対して、すぐに内視鏡検査を行うわけではありません。

当院では、まず症状を確認し、必要に応じて検査を組み合わせて原因を調べます。

a. 問診・診察

まず大切なのは、痛みの場所や経過を確認することです。

いつから痛いのか

どこが痛いのか

食事と関係があるのか

排便で楽になるのか

下痢や便秘があるのか

血便があるのか

発熱があるのか

体重が減っていないか

内服薬はあるか

過去に胃カメラや大腸カメラを受けたことがあるか

このような情報から、胃が原因として考えやすいのか、大腸が原因として考えやすいのか、あるいは他の臓器を考えるべきかを判断していきます。

b. 血液検査

血液検査では、炎症の有無、貧血、肝臓・胆道(消化液の通り道)・膵臓などの異常を確認します。

腹痛の原因は、胃腸だけとは限りません。
胆石、胆のう炎、膵炎、肝臓の病気などが関係している場合もあります。

c. 腹部エコー

腹部エコーでは、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、膀胱などを確認します。

胆石や胆のう炎、尿管結石などが腹痛の原因となることもあります。

痛みの場所や症状によっては、内視鏡検査の前にエコーを行うこともあります。

d. 胃カメラ

みぞおちの痛み、胃もたれ、吐き気、胸やけ、食欲低下などが続く場合は、胃カメラを検討します。

胃カメラでは、食道、胃、十二指腸を直接観察できます。

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、胃がん・食道がん などがないかを確認します。

e. 大腸カメラ

下腹部痛、便秘、下痢、血便、便潜血陽性、便が細い、残便感、貧血などがある場合は、大腸カメラを検討します。

大腸カメラでは、大腸がん、大腸ポリープ、炎症性腸疾患、憩室、虚血性腸炎などを確認できます。

必要に応じて組織検査を行うこともできます。
また、切除が必要と判断されるポリープが見つかった場合には、条件に応じてその場で切除を行うこともあります。

 

 

5. 「腹痛だけ」でも大腸カメラは必要ですか?

 

 

 

腹痛だけで、必ず大腸カメラが必要というわけではありません。

ただし、次のような場合には大腸カメラを検討することが多くなります。

 

40歳以上で腹痛が続いている

便秘や下痢など便通の変化がある

血便がある

便潜血検査で陽性だった

便が細くなった

残便感がある

貧血がある

体重減少がある

ご家族に大腸がんの方がいる

これまで一度も大腸カメラを受けたことがない

大腸がんは、早期では症状が出にくい病気です。
症状が出てから検査を受けた場合、すでに進行していることもあります。

腹痛をきっかけに検査を受けることで、ポリープや早期の病変が見つかることもあります。

「腹痛だけだから大丈夫」と決めつけず、便通の変化や年齢、これまでの検査歴も含めて考えることが大切です。

 

 

6. 当院で大切にしていること

 

 

 

ふくい内視鏡・胃腸クリニックでは、腹痛の患者さんに対してすぐに内視鏡検査ありきで考えるのではなく、まずは症状についてお聞きします。

痛みの場所、続いている期間、便通の変化、血便の有無、食事との関係、これまでの検査歴などを確認したうえで、必要な検査を一緒に考えていきます。

腹痛の原因は一つではありません。

胃が原因のこともあれば、大腸、そのほか膵臓や胆のうなどが原因のこともあります。
便秘や過敏性腸症候群のように、生活習慣や腸の動きが関係していることもあります。

一方で、検査をしないとわからない病気が隠れていることもあります。

当院では、

胃カメラが必要か、大腸カメラが必要か

血液検査や腹部エコーを先に行うべきか

まずはお薬で経過を見てよいのか

早めに専門的な検査をした方がよいのか

を、患者さんの症状に合わせて判断していきます。

「検査を受けるべきか迷っている」という段階で相談していただいて大丈夫です。
腹痛の原因がはっきりするだけでも、不安が軽くなることがあります。

 

よくある質問 Q&A

 

 

Q1. 腹痛が何日くらい続いたら受診した方がいいですか?

数日以上続く腹痛や、良くなったり悪くなったりを繰り返す腹痛は、一度受診をおすすめします。

特に、血便、発熱、嘔吐、体重減少、便秘や下痢の変化を伴う場合は、早めにご相談ください。

今までと違う痛み、徐々に強くなる痛み、夜間に目が覚める痛みも注意が必要です。

Q2. ストレスによる腹痛なら検査は不要ですか?

ストレスによって腹痛や下痢、便秘が起こることはあります。

ただし、最初からストレスだけが原因と決めつけるのは注意が必要です。

血便、貧血、体重減少、発熱、便通の急な変化がある場合は、別の病気が隠れていないか確認する必要があります。

ストレスが関係しているように見えても、検査をして初めてわかる病気が見つかることもあります。

Q3. 腹痛がある場合、胃カメラと大腸カメラのどちらが必要ですか?

痛みの場所や症状によって変わります。

みぞおちの痛み、胃もたれ、吐き気、胸やけ、食欲低下が中心であれば、胃カメラを検討します。

下腹部痛、便秘、下痢、血便、便潜血陽性、便が細い、残便感がある場合は、大腸カメラを検討します。

実際には、問診、診察、血液検査、腹部エコーなどを組み合わせて、必要な検査を判断します。

Q4. 腹痛があっても、薬だけで様子を見ることはできますか?

症状や診察の結果によっては、まずお薬で経過を見ることもあります。

便秘が原因と考えられる場合には便通を整える治療を行い、胃の症状が中心であれば胃薬を使うこともあります。

ただし、血便、体重減少、貧血、便通の急な変化、強い腹痛などがある場合は、薬だけで長く様子を見るのではなく、検査を検討します。

Q5. 大腸カメラはつらい検査ですか?

大腸カメラに不安を感じる方は多くいらっしゃいます。

当院では、検査前の説明を大切にし、できるだけ不安や負担が少なくなるように配慮しています。

必要に応じて鎮静剤を使用し、眠っているような状態で検査を受けていただくことも可能です。

過去に大腸カメラがつらかった方、検査に不安がある方も、まずはご相談ください。

 

 

まとめ

 

 

腹痛はよくある症状ですが、長く続く場合や繰り返す場合には、体からのサインかもしれません。

特に、腹痛に加えて、血便、便秘や下痢の変化、便が細い、貧血、体重減少、嘔吐、お腹の張りがある場合は、早めの受診をおすすめします。

腹痛の原因は、便秘やストレスのこともあれば、胃や大腸の病気が隠れていることもあります。

大切なのは、「いつものこと」と決めつけず、症状が続く場合には一度確認することです。

ふくい内視鏡・胃腸クリニックでは腹痛の原因についてまずはお話を伺い、必要に応じて血液検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラなどを組み合わせて診療を行っています。

お腹の痛みが続く方、便通の変化が気になる方、検査を受けるべきか迷っている方は、お気軽にご相談ください。

 

参考文献・引用

日本消化器病学会:機能性消化管疾患診療ガイドライン 2020―過敏性腸症候群(IBS)

日本消化器病学会:機能性消化管疾患診療ガイドライン 2021―機能性ディスペプシア(FD)

日本消化器病学会:便通異常ガイドライン2023ー慢性便秘症 

大腸癌治療ガイドライン 医師用2024年 金原出版

国立がん研究センター がん情報サービス:大腸がん(結腸がん・直腸がん)

この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
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