当院で 飲む検査前の下剤(洗腸剤)の飲み方解説 〜少しでも良い検査を、少しでも楽に受けるために〜
こんにちは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治です。
さくらマラソンも終わり、もう三月も残る1日となりました。
春の季節の変わり目には花粉症でお困りの方も多いかと思います。
くれぐれも体調にお気をつけてお過ごしください。
さて、今回は大腸カメラを受ける際に服用していただく、当日の検査前の「水下剤」についてです。
大腸カメラを受ける際に、多くの方が不安に感じるのが
「水下剤(=洗腸剤といいます)」です。
・量が多くて、大変そう
・味がおいしくないのは辛い
・ちゃんと飲めるか心配
などの不安を抱えて検査に臨まれる方も少なくないかと思います。
しかし、この下剤は
検査の質を決める最も重要なポイントです。
①下剤の服用の必要性

そもそも、検査を受けるのは、万が一病気が隠れていないかを確認するためです。
事前に腸内をきれいにしておくことが、
・検査時間の短縮
・見落としのリスクの軽減
つまり、検査に質の改善につながっています。
下剤は
正しく飲めば検査は楽になり、正確性も上がります。
そして当院では
患者さんに合わせて「自宅服用」と「院内服用」を選択できる体制を整えています。
②下剤服用の要点

腸のきれいさ=検査の質
便が残っていると
- ポリープや病変が見えず小さな病変などを見逃してしまいます
=前処置の質がそのまま検査の質にもなりえます
不十分の場合には再検査になることも
洗浄が不十分だと
- 検査時間の延長
- 観察が不十分
- 再検査
検査の準備が中途半端になってしまうと、
結果として患者さんの負担が大きくなります
③ 洗腸剤の選択も重要
当院では主に
- 自宅での服用:サルプレップ
- 院内での服用:モビプレップ
を使用しています。
これらは
洗浄力が高く、検査精度を担保しやすい薬剤と考えています。
③当院での下剤の選び方

自宅での服用:サルプレップ
特徴
- ・飲む量が比較的少ない
- ・すでに溶けているため準備が簡単
- ・自宅でリラックスして飲める
自宅での服用のメリット
慣れた環境で安心して飲める
トイレも自宅なので安心して利用できる
自宅での服用のデメリット
体調不良時にサポートがない
クリニックへの移動の際に、トイレに急に行きたくなることも。
移動の手段に少し心配が残る
院内での服用:モビプレップ
特徴
- 洗浄力と安全性のバランスが良い
- 長年使われている標準的薬剤
院内での服用のメリット
スタッフの声かけ・サポートがある
トラブル時もすぐ対応可能
院内での服用のデメリット
検査よりも早めの来院の手間がある
検査を受ける時間帯の制限がある(早い時間帯は不可)
■ どちらにも一長一短があります
- 「安心感」なら院内
- 「自由さ・楽さ」なら自宅
患者さんの性格・体調に合わせて選ぶことが重要です
④おすすめしている飲み方のポイント

① 一定のペースで飲む
アナウンスに従っての内服が望ましいです
一気飲みは体調を崩してしまうこともあり、NGです
ペースを守ることも必要ではありますが、
まずはできる範囲で服用してください
② 冷やす
ぬるいと、どうしても飲むのが辛くなってしまいます
体温も落ちやすくなるので、冬場の服用には少し注意が必要です
③ストローの使用
味覚を感じる舌を通り越して服用することができますので、
味を感じないようにして服用することができます
冷やす+ストローの使用をいただくことがポイントです。
④ 無理をしない
つらいときは休んでください
嘔吐によってせっかくの服用が負担となってしまいます
当院でのサポート体制(予約案内)

当院では
- 下剤の種類の個別選択
- 自宅・院内の選択制
- 丁寧な事前説明
を行っています。
検査の日程を決めていただき、その事前診察として来院をいただくパターンや、
日程調整も含めてまずはご来院いただく(=ご説明ののち、日程を決定する)という方法もあります。
「下剤が不安」という方でも
安心して受けていただけます。
Q&A

Q1. 自宅と院内、どちらが良いですか?
どちらにもメリットがあります。
不安が強い方は院内での服用がお勧めですが、
時間帯の制限や、患者さんの枠の制限があるため
予約はお早めになさってください
Q2. サルプレップの方が楽ですか?
飲む量は少ないため楽と感じる方が多いですが、
味や体調によって個人差があります。
味の好みは分かれますので・・
Q4. 下剤が飲めなかった場合は?
院内での対応や別の方法に変更可能です。
Q3. 洗浄が不十分だとどうなりますか?
検査を形として終えることはできますが、
見逃しや再検査の原因になります。
とりあえず検査を受ける、ということよりも
丁寧に洗腸剤を服用し、検査を受けることが最も重要です。
まとめ

いかがでしたか?
検査は一度で、少しでも良い検査を受けていただけるように、
洗腸剤の服用を丁寧にすることが
検査を成功させるための最重要ポイント
です。
当院では
- 検査の安全性
- 患者さん個人の負担
を考えた選択を行っています。
「少しでも楽に、そして確実に」
そのためのサポートを大切にしています。
検査について悩まれている方は、どうぞご相談にもいらしてくださいね。
参考文献
- 大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン(2020年)(日本消化器内視鏡学会)
- Johnson DA, et al.Optimizing adequacy of bowel cleansing for colonoscopy Gastrointest Endosc. 2014
- Lai EJ, et al.The Boston Bowel Preparation Scale: a valid and reliable instrument for colonoscopy-oriented research
Gastrointestinal Endoscopy. 2009;69(3):620–625


