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大腸ポリープが複数見つかった ― これからどうする?をやさしく解説

 

こんばんは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。

ブログまで足を運んでいただいて、ありがとうございます。

どんな情報が求められているのか・・考えながら書いてはいるつもりですが・・
ブログを読んでいただける方がいらっしゃるのは、大変嬉しいです😊

 

さてさて、7月に入りましたね!

まだ梅雨真っ盛り・・な感じで、雨の日と、晴れた日と、傘を持って行くかどうか迷っちゃいますよね。

体調を崩さないようにも、室内で体を冷やさないようにも、服装にはご注意くださいね。

さて、今回は大腸ポリープが「複数」見つかったときのお話です。

 

0. はじめに 「複数見つかりました」に、まず落ち着いて

 

 

大腸カメラの検査後に「ポリープが複数見つかりました」「多発しています」とお伝えすると、多くの方がハッとした表情になります。
「がんなのでは」「そんなにたくさんあって大丈夫だろうか」――そう心配になるのは、とても自然なことです。

ですが、まず最初にお伝えしたいことがあります。
大腸ポリープが複数見つかること自体は、決してめずらしいことではありません。


年齢を重ねるほどポリープはできやすくなり、健診や検査で「複数あります」と説明される方は、実際にたくさんいらっしゃいます。


ですので、必要以上に落ち込まず、まずは深呼吸をして読み進めていただければと思います。

 

  1. 1. そもそも大腸ポリープはなぜできるの?

  2.  
  3.  

大腸ポリープは、大腸の粘膜の一部がイボのように盛り上がったものの総称です。

大きく分けると、放置してもがんになりにくい「非腫瘍性」のものと、時間をかけて一部ががんに変化しうる「腫瘍性(腺腫など)」のものがあります。

ポリープができやすい背景には、加齢に加えて、食生活や生活習慣、体質などさまざまな要因が関わると考えられています。

もともとポリープができやすい方は、一度に複数見つかることも、切除したあとに新しくできてくることもあります。

これは「自分の努力が足りなかった」という話ではなく、体質的な要素も大きいものですので、ご自身を責める必要はありません。

 

2. 「見つかった」ことは、じつは前向きな一歩

 

 

腫瘍性のポリープ(腺腫)の一部は、長い時間をかけて少しずつ大きくなり、やがて一部ががんへと変化していくことが知られています。

これを裏返して考えると、ポリープの段階で見つけて対応できれば、大腸がんになる前に先回りしてケアできるということです。

つまり「複数見つかった」というのは、これから計画的に手を打っていけるスタートラインに立てた、ということでもあります。

見つからないまま時間が過ぎてしまうより、ずっと安心につながる状況なのです。

 

3. 切除は「数・大きさ・種類」に合わせて計画します

 

 

複数見つかったときは、一つひとつのポリープの大きさ・形・種類を確認しながら、切除の計画を立てていきます。

その場で切除できる小さなものもあれば、大きさや状態によっては、体への負担や安全性を考えて、日を改めて計画的に切除する場合もあります。

「全部いっぺんに取らないと不安」と感じる方もいらっしゃいますが、安全に、確実に対応していくために、あえて段階を分けることは珍しくありません。

どのポリープを、いつ、どう扱うのかは、検査結果をもとに一人ひとりに合わせてご説明します。

 

4. 切除後こそ大切な「定期チェック(サーベイランス)」

 

 

ポリープができやすい方は、切除して終わりではなく、その後も新しいポリープができていないかを定期的に確認していくことが大切です。

この「次にいつ検査を受けるか」の間隔は、見つかったポリープの数・大きさ・種類(腺腫かどうかなど)によって、一人ひとり異なります。

国内外のガイドラインでも、切除後は一定の間隔をあけて内視鏡でのフォローを行うことがすすめられています。

自己判断で「もう大丈夫だろう」と間隔をあけすぎてしまうと、せっかくの先回りのメリットが薄れてしまいます。

次回の検査時期は、医師の案内に沿って決めていきましょう。

 

5. ごくまれに、体質(遺伝的な要因)が関わることも

 

 

非常に多数のポリープができる場合、まれに遺伝的な体質が関わっているケースもあります。

ただしこれはごく一部です。

もしそうした可能性が考えられる場合も、検査結果やご家族の状況をふまえて医師が適切な方針をご説明します。

過度に不安を抱え込まず、まずはご相談ください。

 

よくあるご質問(Q&A)

 

 

Q1. 多発ポリープと言われました。すぐにがんになってしまうのでしょうか?

A. すぐにがんになるわけではありません。ポリープの多くは、がんに変化するとしても長い時間をかけて進みます。
だからこそ、見つかった段階で計画的に切除・経過観察していくことが有効です。

Q2. たくさんあると、その分がんのリスクも高いのですか?

A. 数だけでなく、大きさや種類(腺腫かどうか)が重要です。医師はそれらを総合的に見て、切除や次回検査の計画を立てます。
数が多い=すぐ危険、と単純に考えて過度に心配される必要はありません。

Q3. ポリープは一度の検査で全部取ってもらえますか?

A. 大きさや状態によって、その場で切除できるものと、安全のため日を改めて計画的に切除するものがあります。
段階的に進めるのは珍しいことではなく、安全に対応するための判断です。

Q4. 切除したら、もう検査は受けなくてよいですか?

A. ポリープができやすい方は、切除後も新しくできることがあります。数や種類に応じた間隔での定期検査が大切です。
次回時期は医師がご案内します。

Q5. 生活で気をつけられることはありますか?

A. バランスのよい食事、適度な運動、節度ある飲酒、禁煙などは、大腸の健康を保つうえで一般的にすすめられます。
ただし生活習慣だけで完全に予防できるわけではないため、定期的な検査と組み合わせることが安心につながります。

 

まとめ

 

 

いかがでしたか?

不安なときこそ、放置せずご相談をしてください。

「たくさんあると言われて怖い」「これからどうしたらいいのか分からない」――そんなときこそ、自己判断で先延ばしにせず、次にどうするかを一緒に決めていきましょう。多発と言われたことは、これから計画的にケアしていくための出発点です。

当院では、検査の苦痛にできるだけ配慮しながら、次回の検査時期や切除の計画について、ていねいにご説明しています。
次にいつ、どんな検査を受ければよいか迷ったときは、どんな小さなことでもかまいませんので、お気軽にご相談ください。

 

参考文献

1. 日本消化器病学会 編『大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版)』南江堂, 2020.

2. Minds ガイドラインライブラリ「大腸ポリープ診療ガイドライン2020(改訂第2版)」

3. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」

4. 日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」(Gastroenterological Endoscopy)

 

※本記事は上記の公的機関・学会の情報をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。
ポリープの数・種類・対応方針には個人差があり、最終的な判断は診察・検査が必要です。
気になる症状や結果がある場合は受診をご検討ください。

この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
少しでも辛くない検査をより多くの方に届けられるよう、スタッフ一丸となってより良い診療を提供します。