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大腸がんの初期症状とは!?放置してはいけない、危険なサイン。

こんにちは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 院長 宇賀治良平です。

いきなり始まったか!という様子の題名ですが・・・そろそろ、ブログでも医療に関連することを書き始められれば、と奮起しました。
ちょっとずつブログを更新していこうと思います。
まずは、診療として熱を入れて取り組んでいる、大腸の特に防ぎたい病気、「大腸がん」についてお話をしようと思います。
大腸がんの初期症状って?という話からまずはブログからお伝えをしていきますね。

 

1. 普段の生活の中で、お腹の症状で悩んでいませんか。

「なんだか、お腹の調子が優れない・・・」普段の生活の中で、このように感じたことはありませんか?

普段から下痢をしやすい、突然便秘にもなってしまう、いきなり出てくる痛みに悩まされることがある、などなどお困りはないでしょうか。
 大腸がんの初期症状として、なんとなくお腹の調子が悪いというところに、病気のサインが隠れているかもしれません。市販の薬でなんとか体調は良くはなるけれど、、受診や検査からは足が遠のいている。そんな方はいませんか。大腸のことが気になっていても、「検査は辛い」っていうイメージがあると、ちょっと敬遠しちゃいますよね。

 

  1. 2. そもそも、大腸がんってどういう病気なの?

がんとは、「体の中の細胞が何らかの原因で遺伝子に変化を起こし、自律的で制御不能な増殖を続け、周囲の正常組織に浸潤し、さらに血流やリンパ流を介して他の臓器に転移する性質をもつ病気の総称」とされております。
がん(悪性腫瘍)のうち、消化管粘膜(=上皮)から発生するものを、上皮性腫瘍=癌と定義づけられています。

大腸がんは、大腸:およそ1.0〜1.5mほどある大腸の内側の粘膜から発生する腫瘍です。大腸がんは体の中に発生する癌の種類のうち、全体の15.6%を占めており、最も罹患者数の割合が多いとされています。

年齢別では、40歳代から増加を認め、60, 70, 80歳代でより多くなってきます。
日本人が一生のうちに大腸がんと診断される確率は、男性=10.3%、女性8.1%と推計されており、決して無視することができない罹患者数となっています。
(国立がん研究センター がん情報サービス)

大腸がんは放置されることで局所で増大しながらも、のちには血液やリンパの流れに乗って、リンパ節・肺・肝臓などに転移を来たしうる腫瘍であるため、早期の発見・早期治療が欠かせません。

 

  1. 3. 大腸がん初期の段階での自覚症状とは・・

さて、このブログを読んでいただいている皆様にお伝えしたいことは・・

大腸がんの初期症状としては・・ズバリ、自覚症状はほとんどありません。
早期の大腸がんでは腹部症状として自覚することは少なく、「大腸がんによる症状」が出るということは大腸がんが進行している可能性があります。


進行がんの症状としては、「血便」「便通異常:下痢・便秘」「腹痛」「腹部膨満感」などがあります。

「この症状が出たからがんを疑う」という特徴的な症状はなく、普段何気なく感じている症状の中に、がんの症状が紛れている可能性があるということです。

ご自身でお腹のことで困っていることがあれば、一人で抱えずにまずは近くの医療機関を受診されることから始めることをお勧めします。

 

  1. 4. 大腸がんの初期症状

では、大腸がんを見つける上での、初期症状についてお伝えをしていきますね。

  • 血便

  • 鮮やかな赤い血や、黒っぽい便が出ることがあります。お尻の出口に近いところの出血(がんが肛門側にできた場合)は赤くなり、お尻から離れて、血液が腸内に停滞することで黒くなって便に出てきます。
  •  
  • 便通の変化

  • 今までは感じたことがなかったのに、便秘や下痢が続くことや、便が紐のように細くなる、など便の性状に変化が出ることがあります。過敏性腸症候群の症状とも一致する部分もあるため、私たちも問診で注意をしてお話を伺います。
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  • 腹部膨満感・残便感・腹痛

  • がんによって便が停滞した場合に、ガスや便が出にくくなり、お腹の張りを感じることがあります。
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  • 貧血症状

  • 気づかないうちに、がんからの出血が続くことで、貧血をきたすことがあります。持続して少量の出血を繰り返す場合には、貧血で見られるめまい・倦怠感・息切れなどの症状が出にくい場合があります。健康診断で貧血を指摘された方はご注意ください。
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  • 体重減少・疲労感

  • 進行がんの症状として現れることがあります。体内のエネルギーの消費が癌によって起きてしまうためです。意図しない体重の減少がある場合、大腸に限らず、内科の受診をお勧めします。

5. 当てはまる方は、どうすれば良いか?お答えします。

まずは、医療機関を一度受診し、相談をなさってみてください。最初から強く検査を勧めるわけではありません。
困った症状に対して、適切な診察、検査が提案できれば、と思っております。

・専門医による問診と診察

・血液検査での状態の確認

・エコー検査での腹部症状のチェック

・大腸カメラでの実施の検査で病変の有無を確認

など、お力になれることがあると思います。

Q & A

Q1. 冬の間は運動不足で便秘気味です。これは大腸がんのリスクになりますか?

A1.
昨年の雪も大変でしたね。私もちょっとくたびれました。。
冬季は積雪で外出が減り、便秘が増えやすい傾向があります。便秘自体が直接がんを引き起こすわけではありませんが、腸内環境の悪化や運動不足は長期的にも大腸がんのリスクを高める可能性があります。「便秘=がん」とは限りませんが、長期間続く便通異常や血便がある場合は一度受診をご検討ください。生活習慣の見直しと定期的な検診が安心につながります。

 

Q2. これからの季節は雪で通院が難しい日が多くなるのですが、
検査は春まで待ってもいいですか?

A2.
確かに、福井市内でも積雪によって外出が難しくなる時期があると思います。便潜血検査が陽性の方や症状のある方は、できる限り季節に関係なく早めの受診をおすすめします。診察の上で検査の時期を判断し、緊急性が低いケースやポリープの定期検査の場合にはは、天候や仕事の都合を踏まえて検査時期を調整することも可能です。心配な場合は、まずご相談をいただき、最適な時期を一緒に決めてみてはどうでしょうか。

Q3. 夜勤の多い仕事をしています。大腸の検査を受けてみたいのですが、
検査日は調整できますか?

A3.
夜勤は大変ですよね。夜勤が多い場合、生活リズムが不規則で便通が乱れやすく、検査準備がしづらいことがあります。当院では午前中の枠や土曜日の枠、頻度は多くありませんが日曜日の枠を設けており、勤務に合わせて日程は調整可能です。下剤の飲み方の工夫や事前準備もご案内できるため、夜勤明けや休日をうまく活用しながらご相談をいただければ、スムーズに受けられます。

最後に

いかがでしたか。当てはまる症状がある場合には、お早めに受診をお勧めします。
まだまだ私たちのクリニックも1年経過して、始まったばかりですが・・皆さんの健康管理に少しでもお役立ちできる情報を提供できるよう、少しずつブログを作成していきます!引き続きよろしくお願いいたします。

 

7. 参考文献

・大腸癌治療ガイドライン医師用 2024年版
・癌情報サービス https://ganjoho.jp/public/index.html
・がん診療2025 日本医師会雑誌 

この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
少しでも辛くない検査をより多くの方に届けられるよう、スタッフ一丸となってより良い診療を提供します。