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人間ドックで「異常なし」でも、大腸カメラは必要?

こんばんは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。

新緑が気持ちよく、お散歩やお出かけが楽しい季節になりましたね!

今回は、

「人間ドックで異常なしと言われたけれど、大腸カメラって受けた方がいいの?」

というご相談が多いテーマを、やさしく整理してお伝えします。

 

1. はじめに

 

 

 

人間ドックの結果に「異常なし」と書いてあると、ひとまずホッとしますよね。
一方で、便通の変化やお腹の不調が続いていたり、ご家族に大腸がんの方がいたりすると、「本当に大丈夫かな…」と不安になる方も少なくありません。

今回は、人間ドックでの「異常なし」と言われても、注意をいただきたいこと人ついてもお伝えします。

 

 

2. 結論

 

 

実は、「異常なし」でも、大腸カメラを“検討した方がよいケース”があります。

大腸がんや大腸ポリープは、早い時期には症状が出にくいことがあり、便の検査(便潜血検査)も万能ではありません。

だからこそ、年齢・症状・体質(リスク)に応じて、「今、大腸カメラが必要か」を一緒に考えることが大切です。

 

3. なぜ「異常なし」でも見逃しが起こりうるのか

 

 

人間ドックで行われる大腸のチェック(大腸がん検診)は、主に便潜血検査(便に血が混じっていないかを見る検査)が中心です。

これはとても有用な検査ですが、次のような特徴があります。

・ 出血していないポリープ・がんは拾いにくいことがある

・ 出血が「たまたま」出なかったタイミングだと陰性になることがある

・ 病変の場所や形によって、便に血が混じりにくい場合がある

つまり「異常なし=大腸が完全に問題なし」とは言い切れないことがある、というイメージです。

 

4. 「異常なし」でも大腸カメラを考えたい主なケース

 

 

次に当てはまる方は、症状が軽くても一度、消化器内科でご相談いただくと安心です。

a. 40歳以上で、大腸カメラを一度も受けたことがない: 大腸がんは40歳代から増えていきます。

b. 便通の変化が続く(便秘・下痢、細い便、残便感など): 「体質かな」で済ませてしまいがちですが、続く場合は確認しておくと安心です。

c. 血便っぽい、便に赤い筋がつく、黒っぽい便が出た:痔が原因のことも多いですが、自己判断は難しいため一度相談をおすすめします。

d. 貧血を指摘された/最近疲れやすい:特に鉄欠乏性貧血は消化管からの出血が隠れていることがあります。

e. ご家族に大腸がん・大腸ポリープの方がいる:体質としてポリープができやすい方もいます。

f. 過去に大腸ポリープを指摘・切除したことがある:定期的なフォローが勧められることがあります(切除したポリープの種類・数・大きさで目安が変わります)

 

 

5. 受診した方がよい症状(早めの受診をおすすめ)

 

 

次の症状がある場合は、人間ドック結果に関わらず、早めの受診をおすすめします。

a. 血便・下血がある(少量でも)

b. 便秘や下痢が2週間以上続く

c. 便が細くなった、便が出にくい状態が続く

d. 原因不明の貧血、体重減少、強い腹痛

e. 便潜血が陽性と言われた(この場合は原則「精密検査=大腸カメラ」が推奨されます)

もちろん、これらの症状に限らず、何か心配だな・・と思うことがあれば、ご相談をいただければと思います。

 

6. 当院で行う検査・対応

 

 

当院ではみなさんの不安に寄り添いながら、「本当に大腸カメラが必要か」から一緒に考えていきます。

① まずは外来でご相談
人間ドックの結果(便潜血、採血、既往歴)を確認し、症状や生活状況も丁寧に伺います。

② 必要に応じて大腸カメラを検討
当院では、鎮静剤を用いた負担の少ない内視鏡検査に配慮しています。
「不安が強い」「痛みが心配」という方も、できるだけリラックスして受けられるようにサポートします。

③ 日帰りポリープ切除にも対応(適応がある場合)
検査中に切除可能なポリープであれば、同日に切除を行えることがあります(病変の大きさやお薬の状況によっては、専門施設と連携して安全を優先します)。

④ 検査後は画像をお見せしながらわかりやすく説明
結果の意味、今後のフォローの目安も含めて、丁寧にお伝えします。

 

 

7. よくある質問 Q&A

 

 

 

Q1. 人間ドックで異常なしなら、大腸がんの心配はゼロですか?


A. ゼロとは言い切れません。
便潜血検査はとても役立つ一方、病変の状態によっては陰性になることもあります。年齢や症状がある場合は、一度相談しておくと安心です。

Q2. 症状がなければ大腸カメラは不要ですか?


A. 症状がない早い時期の病変もあります。
特に40歳以上で未検査の方、家族歴がある方は「必要かどうか」だけでも相談する価値があります。

Q3. 便潜血が陰性でした。次は何年後に検査すればいいですか?


A. 対策型検診では、便潜血検査は1~2年ごとが目安とされています。
ただし症状やリスクがある場合は、この間隔とは別に医療機関での評価が必要になります。

Q4. 大腸カメラが怖いです。痛いですか?


A. 不安な方には鎮静剤の使用も含め、負担を減らす方法をご提案します。
眠っている間に終わったように感じる方もいらっしゃいますが、どうしても効果には個人差があります。
少しでも怖くない、少しでも辛くない検査を提供できれば、と思っています。

 

8. まとめ

 

 

いかがでしたか?

人間ドックで「異常なし」は、とても良い結果です。
ただし、便潜血検査などには限界もあるため、年齢や症状、体質によっては大腸カメラを検討した方が安心なケースがあります。

「自分は受けた方がいいのかな?」と迷う時点で、相談していただいて大丈夫です。
検査が必要かどうかも含めて、一緒に考えていきましょう。

 

参考文献

  • 国立がん研究センター がん情報サービス:大腸がん検診について
  •  
  • 日本消化器病学会:大腸ポリープ診療ガイドライン 2020(改訂第2版)。

 

この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
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