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ポリープ切除後の再検査はなぜ必要? 次回の検査のタイミングはどうやって決まっているの?

 

0. はじめに

こんばんは。ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。

今回も、大腸ポリープのお話です。

大腸ポリープを切除すると、「もう安心」「もう大腸カメラはしばらく不要では?」と思われる方もいらっしゃると思います。
一方で、担当の医師から「次回は○年後に再検査をしてくださいね」と、指示を貰われると思いますが、そこには疑問や不安を感じることもあると思います。

ここでは「なぜ再検査を勧められるのか?」についてお話をしようと思います。

この記事では、ポリープ切除後に再検査(フォローの大腸カメラ)が勧められる理由を、できるだけわかりやすく説明します。

 

1. 結論

 

ここで結論から。

ポリープ切除後の再検査が必要なのは、主に次の3つの理由があるからです。

  1. ・新しいポリープができることがあるため。
  2.  
  3. ・小さなポリープなどが「見つかりにくい」ことがあるため(見逃し対策)。
  4.  
  5. ・取り方や病理結果(顕微鏡の診断)によっては、切除した場所の確認が必要なため。


「いつ再検査が必要か」は、切除したポリープの数・大きさ・種類(病理結果)・取り方で変わります。

ガイドラインでも、所見に応じて間隔を変える考え方が示されています。

 

大腸ポリープの中には、時間をかけて大腸がんにつながるタイプ(腺腫など)があります。
大腸カメラで見つけて切除することは、大腸がんの予防につながると考えられています。

ただし、ポリープを1回取り切ったとしても、今後「新しくできる」「以前の検査で小さくて見つかりにくかったものが育つ」などの可能性があるため、適切な時期に確認しておくことが大切です。

 

2. 少しだけ詳しく。再検査が必要になる理由

 

1)新しいポリープができる=体質・生活習慣・加齢

ポリープができやすい体質の方は、時間の経過とともに別の場所に新しいポリープができることがあります。
そのため、「切除=今後ポリープはできない」ではなく、定期的にチェックする意義があります。

2)見逃しをゼロにするのは難しい=だからこそフォローが役立つ

大腸は長く、ひだも多い臓器です。さらに、平坦(へこんだり、盛り上がりが少ない)タイプの病変は見つけにくいことがあります。
大腸内視鏡検査後に見つかる大腸がん(PCCRCと専門用語では言います)では、原因の一部に「見逃し」や「不完全切除」などが関わるとされ、検査の質とフォローが重要とされています。

3)切除した場所の確認が必要なケースがある

ポリープが大きかった場合や、分割して切除した場合などは、切除部位に残りがないかを確認する目的で、比較的早めの再検査が勧められることがあります。
また、病理結果で「追加の確認が望ましい」と判断されることもあります(例:深さの評価が必要、境界が気になる、など)。

 

3. 受診した方がよい症状(再検査時期を待たずに相談したいサイン)

 

再検査の予定が先でも、次の症状がある場合は早めに消化器内科へご相談ください。

  • ・血便:便に血が混じる、トイレットペーパーに血がつく)。
  • ・便秘と下痢を繰り返す、便が細くなった感じが続く。
  • ・腹痛やおなかの張りが続く。
  • ・原因不明の体重減少、貧血を指摘された。
  • ・大腸がんの家族歴がある、以前から多発ポリープを指摘されている。

再検査の予定まで我慢することなく、症状に応じて受診をご検討ください。

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4. 当院で行う検査・対応

 


当院では、患者さんの負担に配慮しながら、必要な確認につなげられるように以下を大切にしています。

  • ・大腸カメラ(必要に応じて鎮静剤を使用し、つらさを軽減する工夫をします)。
  • ・切除したポリープの病理結果をふまえた、次回検査の目安のご説明。
  • ・便通や食事、下剤(前処置)の不安への丁寧なサポート
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  • 「本当に今検査が必要か」も含めて、一緒に考えます。

再検査の間隔は一律ではありません。切除したポリープの種類(腺腫・鋸歯状病変など)、数、大きさ、切除方法、前回検査の条件などで変わります。
ガイドラインでも、所見に応じてフォロー間隔を調整する考え方が示されています。

 

 

5. よくある質問(Q&A)

Q1. ポリープは取ったのに、がんになることはありますか?

ポリープを切除することは、将来のリスクを下げることにつながると考えられています。
ただし、別の場所に新しいポリープができたり、見つかりにくい病変が後で見つかったりすることもあるため、医師が勧める時期に確認をしておくと安心です。

Q2. 次の大腸カメラは、だいたい何年後ですか?

「何年後」が一律に決まるわけではありません。
ポリープの数・大きさ・病理結果・取り方でリスクが変わるため、ガイドラインでも所見に応じた間隔が推奨されています。
当院では、結果を見ながら患者さんごとに目安をわかりやすくお伝えします。

Q3. 鎮静剤が不安です。使わないといけませんか?

検査には、薬剤を必ず使わないといけないわけではありません。
前述のように、定期的に検査をするためにも、少しでも検査が辛くなければ良いと思っております。必要に応じて鎮静剤を使用するのが望ましいと思います。
不安が強い方、以前つらかった方には鎮静剤を提案することがありますが、体調やご希望を伺いながら一緒に決めます。

 

6. まとめ

いかがでしたか?

ポリープ切除後の再検査は、「不安をあおるため」ではなく、将来のリスクを下げ、見逃しや取り残しがないかを確認して安心につなげるための大切なステップです。


「自分はどれくらいの間隔で良いの?」「結果の説明をもう一度聞きたい」など、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。
ふくい内視鏡・胃腸クリニックでは、負担の少ない内視鏡検査と、丁寧でわかりやすい説明を心がけています。

お困りのこと、心配なことがあればおっしゃってくださいね。

 

参考文献・参考情報

  • 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸:がん統計」
  • 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計のまとめ」
  • US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Recommendations for Follow-Up After Colonoscopy and Polypectomy (2020).
  • Japan Gastroenterological Endoscopy Society (JGES).  Colonoscopy screening and surveillance guidelines(Digestive Endoscopy, 2021)
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この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
少しでも辛くない検査をより多くの方に届けられるよう、スタッフ一丸となってより良い診療を提供します。