TOPへ

ブログ

お腹が張る・ガスがたまる…「腹部膨満感」と大腸がんとの関連

 

あけましておめでとうございます。

新年が明け、ちょっと時間が経過しましたが、、今年もよろしくお願いします。

今回は、「お腹が張る」「ガスが溜まる」といった「腹部膨満感」の症状についてお話しします。
外来の患者さんの中でも比較的質問を受けやすいので、ブログでも作成させていただきました。

日によって軽い場合もあれば、気になって受診を迷うこともあると思います。
この症状が単なる一時的なものなのか、病気を疑うべきものなのか―その判断の目安を解説します。

 


お腹の張り・ガスがたまるってどういう状態?

 

「食事に関係なく、お腹がパンパンになってしまう」「ガスが溜まっていて普段から苦しい」「げっぷやおならが外で出てしまって困ることがある」
などの症状は、医学的には腹部膨満感という症状で呼びます。


これは、胃および腸の中に空気、ガス、便がたまることで生じます。

食事内容や食事の速度(早食い)呑気(空気を飲み込んでしまうこと)など日常的な要因でも起こりますが、慢性的な場合には何らかの消化器の異常が背景にあることもあります。

 


どうして症状が起きるの?

 

お腹が張る・ガスが溜まる主な原因は次のように大きく分けられます。

  • 機能による問題(動き・機能によるもの)

  • これは検査によって目立った病気が見つからないときにも経過・症状から診断されることがあります。
    ・過敏性腸症候群(IBS)
    ・機能性ディスペプシア
    ・呑気症(空気を多く飲み込む)など

  • 便秘やガス貯留

  • 便の停滞・食事内容によってはガスの発生などが起こります。
     便がたまりやすいと腸内でガスが溜まりやすくなり、張り感を強く感じることがあります。

  •  
  • 器質的な病気(実際に目にみえる病気)

  • 目にみえるような病気、内視鏡やその他の検査で診断できる病気には以下のようなものがあります。

  • ・大腸がん:進行するまで症状が出にくいことがあります。

  • ・腸閉塞

  • ・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)


どんな時に受診すべき?

 

 

次のような症状がある場合は、消化器内科受診をおすすめします。

  • ・張りが数日〜1週間以上続く場合

  • ・血便や黒い便が出るようになった

  • ・意図していないのに、体重が急に減ってきた

  • ・激しい腹痛、吐き気・嘔吐を伴う

  • ・便やガスが全く出ない状態が続いている

  • ・発熱や強いだるさを伴う


  • これらは消化器に関連した病気が隠れている可能性があり、受診し診察を受け、必要な検査などを検討する必要があります。
    一方で張りが短時間・一過性で、便通や生活に支障がない場合には、生活習慣の見直しや食事・運動で改善されることもあります。

  •  

日常でできる工夫

 

受診の目安に達していない場合でも、次の工夫が役立つことがあります。

  • ・食物繊維を意識した食事

  •  
  • ・よく噛んでゆっくり食べる

  •  
  • ・炭酸飲料・ガスを発生しやすい食品の量を調整

  •  
  • ・適度な運動とストレスの軽減

  •  
  • こうした生活習慣の改善が、腹部膨満感を軽くすることがあります。

  •  

しかし、先ほどお伝えした「消化器内科を受診すべき症状」に該当する場合には、ご自身だけで対処をしようとしないでください。

Q&A

  •  
  • Q1.お腹が張るのは体質のせいであり、仕方ないのでしょうか。

    A.
    「ガスが多い体質」と感じている方は多いですが、実際には腸の動き・便通・空気の飲み込み方(呑気)・食事内容

  • などが影響していることがほとんどです。
    腸の動きが弱かったり、便秘気味だったりすると、ガスがたまりやすくなります。
    また、緊張やストレス、早食いによって無意識に空気を多く飲み込んでいる場合もあります。
    症状が続く場合は、体質と決めつけず一度ご相談ください。


    Q2.検査をしないダメなのでしょうか。なるべく検査はしたくないのですが・・

    A.
    症状の経過や便の性状の聴取、食事の内容、生活習慣などから ある程度原因を推測できる場合もあります
    一方で、症状が長く続く場合や、血便・体重減少・強い腹痛などを伴う場合には、
    内視鏡検査などで器質的な病気がないか確認することが大切です。
    必要な検査は、症状や年齢、経過を踏まえて医師が判断しますので、
    「すぐに検査になるのでは」と不安に思わず、まずはご相談ください。


    Q3.受診するまでの症状でもなく、市販薬で様子を見ても大丈夫ですか。

    A.
    一時的な張りや軽い症状であれば、市販薬で改善することもあります。
    ただし、効果が一時的・症状が繰り返す・だんだん強くなる 場合には注意が必要です。
    背景に便秘や腸の病気が隠れていることもあり、
    自己判断で我慢を続けることで受診が遅れてしまうことがあります。
    症状が続く場合は、市販薬に頼り続けず、原因を確認することをおすすめします。

Q.4 検査をして病気が見つかってしまうのが怖いです。どうしたら良いでしょうか。

A. 

もし、お腹の症状でお困りがあるようであれば、まずはご相談ください。検査はただ単に「すれば良い」というものではないと思います。
必要な検査を、必要な分だけ。それで不安が取り除けるようなら何よりだと思います。病気は早く見つければ、治療も小さく・早く終わるものもあります。
お一人で悩まずに、ご相談ください。

 


最後に

 

いかがでしたか?何気ない症状でも、万が一の病気がないかは、40歳を越えれば検査などを行なっていくべきだと思います。

お腹の張りやガスは多くの方が経験する症状です。
しかし、症状が続く場合、生活に差し支えが出てしまう場合には放置せずに原因を探ることが大切です。
腹部膨満感に対して、検査をすれば大腸がんが必ず見つかるというわけではありません。
「病気があるのではないか・・」と悩む前に、お気軽に当院にご相談ください。

皆様の健康の維持のお手伝いができれば幸いです。

 

参考文献

機能性消化管疾患診療ガイドライン2021-機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版

機能性消化管疾患診療ガイドライン2021-機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版

有効性評価に基づく 大腸がん検診ガイドライン 2024 年度版

この記事を執筆した人

この記事を執筆した人

宇賀治 良平

  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本消化日本肝臓病学会専門医
  • 器病学会専門医
  • 日本内科学会総合専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本消化器がん検診学会消化器がん検診総合認定医
  • 日本ヘリコバクター学会H. pylori感染症認定医

おなかの中からふくいを元気にする。を掲げ毎日の診療にあたっています。
少しでも辛くない検査をより多くの方に届けられるよう、スタッフ一丸となってより良い診療を提供します。