「忙しいから後で」は危険?大腸カメラは“予約を先に取る”ことが大切です
0. はじめに

こんばんは。
ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。
皆様も、毎日大変お疲れ様です。6月も光のような速さで終わってしまった気がします・・
明日から7月ですが、暑さを乗り切って頑張りましょう!
皆様もお身体、ご自愛くださいね。
さて、毎日お仕事や家事、育児、介護などで忙しく過ごしていると、体のことはどうしても後回しになってしまいがちです。
「便潜血で引っかかったけど、忙しいからまた今度」
「少し血がついたけど、痔だと思うし様子を見よう」
「大腸カメラは大変そうだから、落ち着いてからでいいかな」
このように考えてしまう方は少なくありません。
もちろん、すべての症状が大きな病気につながるわけではありません。
しかし、大腸がんや大腸ポリープは、早い段階では自覚症状がほとんどないことがあります。
だからこそ、
「忙しいから後で」
を繰り返してしまうことには注意が必要です。
今回は、大腸カメラを後回しにしない方がよい理由と、予約を先に取っておく大切さについてお話しします。
① 大腸がんは、早期には症状が出にくい病気です

大腸がんというと、
- 血便
- 腹痛
- 便が細い
- 便秘や下痢
- 体重減少
などの症状をイメージされる方も多いと思います。
ですが、実際には早期の大腸がんでは、はっきりした症状が出ないことも少なくありません。
「痛くないから大丈夫」
「毎日便が出ているから大丈夫」
「食欲もあるから問題ない」
と思っていても、検査をして初めてポリープや早期がんが見つかることがあります。
症状が出てからではなく、症状がないうちに確認する。
これが大腸カメラの大切な役割です。
② 便潜血陽性を放置しないように!

健診や人間ドックで行われる便潜血検査は、便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。
ここで大切なのは、
「1回だけ陽性だったから大丈夫」
とは言えないということです。
大腸がんやポリープからの出血は、毎日同じように出るとは限りません。
そのため、2日分のうち1日だけ陽性でも、精密検査が必要です。
便潜血陽性になった場合、一般的には大腸カメラで大腸の中を直接確認します。
「痔があるから、そのせいだと思う」
「前も陽性だったけど大丈夫だった」
「忙しいから、来年の健診でまた見ればいい」
このように自己判断してしまうと、本来見つけられた病気を見逃してしまう可能性があります。
便潜血陽性は、体からの大切なサインです。
まずは一度、消化器内科で相談してください。
③ 大腸ポリープは、見つけて切除できることがあります

大腸がんの中には、大腸ポリープから時間をかけてがん化していくものがあります。
大腸カメラでは、ポリープを見つけるだけでなく、条件が合えばその場で切除できる場合があります。
つまり、大腸カメラは
「がんを見つける検査」
であると同時に、
「将来の大腸がんリスクを下げるための検査」
でもあります。
もちろん、すべてのポリープをその場で取れるわけではありません。
大きさ、形、場所、出血リスク、内服薬の状況などを確認したうえで判断します。
それでも、早めに見つけることで選べる対応が増えることは、大きなメリットです。
④ 「落ち着いたら受ける」は、意外と先延ばしになります

大腸カメラを受けた方がよいと分かっていても、実際には予約まで進めない方も多くいらっしゃいます。
理由として多いのは、
- 仕事が忙しい
- 下剤が不安
- 検査が恥ずかしい
- 痛みが心配
- 何か見つかるのが怖い
- 家族の予定が合わない
といったものです。
どれも自然な不安です。
ただ、「落ち着いたら」と思っていると、仕事や家庭の予定は次々に入ってきます。
結果として、数か月、場合によっては1年以上そのままになってしまうこともあります。
大腸カメラは、気合いで受ける検査というより、予定を先に確保して、そこに向けて準備する検査です。
まずは予約を取る。
そのうえで、下剤の飲み方、食事、鎮静剤の使用、ポリープ切除の可能性などを確認していく。
この順番にすると、検査までのハードルが少し下がります。
⑤ 特に早めに相談してほしい方

次のような方は、大腸カメラについて早めに相談することをおすすめします。
- 便潜血検査で陽性になった方
- 血便がある方
- 便が細くなったと感じる方
- 便秘や下痢が続いている方
- 残便感が続く方
- 原因がはっきりしない腹痛がある方
- 貧血を指摘された方
- 以前に大腸ポリープを切除したことがある方
- ご家族に大腸がんの方がいる方
- 40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない方
もちろん、これらに当てはまるからといって、必ず大きな病気があるという意味ではありません。
大切なのは、自己判断で放置しないことです。
⑥ 大腸カメラの予約は「不安を減らす第一歩」です

大腸カメラに対して、不安を感じるのは当然です。
「下剤を飲み切れるかな」
「痛くないかな」
「検査中に恥ずかしくないかな」
「ポリープがあったらどうなるのかな」
こうした不安は、実際に相談してみると整理できることが多くあります。
当院では、検査前に食事や下剤、内服薬、鎮静剤の使用、検査後の生活について確認を行います。
不安なことがある場合は、予約時や事前診察の際に遠慮なくご相談ください。
忙しい方ほど、体調の確認を後回しにしがちです。
しかし、大腸の病気は、早めに確認することで安心につながることがあります。
「いつか受けよう」ではなく、
「まず予約だけ取っておこう」
という一歩が大切です。
よくある質問 Q&A

Q1. 便潜血検査で1回だけ陽性でした。大腸カメラは必要ですか?
大腸カメラを受けていただくことが望ましいです。
便潜血検査は2日法で行われることが多いですが、1日分だけ陽性でも精密検査の対象になります。
大腸がんやポリープからの出血は毎日続くとは限りません。
「もう1日は陰性だったから大丈夫」と自己判断せず、大腸カメラで確認することをおすすめします。
Q2. 痔があるので、便潜血陽性は痔のせいではないですか?
痔が原因で便潜血陽性になることはあります。
しかし、痔があるからといって、大腸がんやポリープがないとは言い切れません。
痔だと思っていた出血の背景に、大腸ポリープや大腸がんが見つかることもあります。
便潜血陽性や血便がある場合は、自己判断せずに一度ご相談ください。
Q3. 忙しくてすぐに検査を受けられません。どうしたらいいですか?
まずは予約や事前相談だけでも進めておくことをおすすめします。
大腸カメラは、検査前の食事や下剤の準備が必要な検査です。
そのため、急に受けるというより、予定を決めて準備していく方が現実的です。
「落ち着いたら」と思っていると先延ばしになりやすいため、まず日程を押さえることが大切です。
Q4. 大腸カメラは痛いですか?
感じ方には個人差があります。
大腸の長さや曲がり方、手術歴、便秘の程度、緊張の強さなどによっても変わります。
当院では、できるだけ負担を少なく検査を受けていただけるように配慮をしています。
鎮静剤の使用についても、患者さんの状態やご希望を確認しながら相談し、提案をさせていただきます。
前回の検査で痛みや不安が強かった方も、まずは事前診察でご相談ください。
⑦ まとめ

いかがでしたか?
今回は、忙しい方こそ大腸カメラを後回しにしない方がよい理由についてお話ししました。
- 大腸がんは早期には症状が出にくいことがあり、便潜血陽性は1回陽性になった場合でも精密検査が必要です
- 「落ち着いたら受ける」は、先延ばしになりやすく、不安がある方ほどまず相談することが大切です。
大腸カメラは怖い病気を見つけるためだけの検査ではなく、「今の大腸の状態を確認して、安心するための検査」でもあります。
・福井市で大腸カメラをご検討の方
・便潜血陽性を指摘された方
・血便や便通異常が気になっている方
はどうぞ、ふくい内視鏡・胃腸クリニックまでお気軽にご相談ください。
引用文献・参考資料
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」
- 国立がん研究センター「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版」


