年内に胃カメラ・大腸カメラを受けた方がいい?〜検査を先延ばしにしないためのポイントを解説〜
0.はじめに
こんにちは。
ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。
10月も終わりに近づき、今年も残り2か月ほどとなりましたね!だんだん寒くなってきましたね。
少し、冬の訪れを感じる週の初めになりましたね。
さて、今回は「年内に胃カメラ・大腸カメラを受けるメリット」についてお話しします。
外来では、
- 「今年はまだ胃カメラを受けていないんです」
- 「大腸カメラを勧められたけれど、忙しくて先延ばしにしています」
- 「年末までに検査を受けた方がいいのでしょうか?」
といったお話を伺うことがあります。
確かに、年末は一年を振り返り、ご自身の健康について考えるよい機会です。
ただし、すべての方が年内に胃カメラや大腸カメラを受ける必要があるわけではありません。
大切なのは、「検査が必要なのか」と、「いつ受けるのか」が適切なのかを考えることです。
今回は年末に向けて検査を考えるメリットと、先延ばしにしない方がよい症状について解説します。
1.結論:年内に受けることより、必要な検査を先延ばしにしないことが大切です

最初に結論です。
胃カメラや大腸カメラは、「年内だから」という理由だけで受ける必要はありません。
当然のことですが、医学的には、12月に検査を受けることと翌年1月に検査を受けることに、年が変わるという理由だけで特別な違いがあるわけではありません。
一方で、検査が必要な状況にもかかわらず、何か月も先延ばしにしてしまうことは避けたいところです。
例えば、
- 健康診断で異常を指摘された
- 便潜血検査が陽性だった
- 血便や黒い便が出ている
- 胃の不調や腹痛が続いている
- 以前、医師から定期的な検査を勧められていた
といった方では、年末まで待つことが適切かどうか、一度確認していただきたいと思います。
年内という区切りは、検査を考えるきっかけにはなります。
しかし、本当に大切なのは、ご自身の健康状態に合った時期に必要な検査を受けることです。
2.年内に検査を考える3つのメリット

では、年末までに検査を計画することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
① 検査を先延ばしにすることを防げる
胃カメラや大腸カメラは、どうしても後回しにしやすい検査です。
仕事が忙しい、家族の予定が合わない、検査が怖いなど、さまざまな理由があると思います。
しかし、「時間ができたら受けよう」と考えていると、なかなか検査の機会を作れないことがあります。
そこで、年末という区切りを利用して、一度ご自身の検査歴を確認してみることには意味があります。
② 検査後の予定を考えやすくなる
胃カメラや大腸カメラでは、検査を受けた後に追加の確認が必要になる場合があります。
例えば、組織検査の結果を確認したり、ポリープが見つかったために今後の方針を相談したりすることがあります。
そのため、検査日だけでなく、結果を確認する時間も考えて予定を組むことが大切です。
秋のうちから検査を計画しておけば、年末年始の休診期間なども考慮しながら予定を立てやすくなります。
ただし、検査結果や追加検査の内容によっては、年内にすべてが完了するとは限りません。
③ 一年間の健康状態を振り返る機会になる
年末は、一年間の健康状態を振り返るよい時期でもあります。
例えば、
- 今年の健康診断では何を指摘されたか
- 以前の胃カメラではどのような結果だったか
- 大腸ポリープを切除した後、次回検査はいつと言われたか
- 最近、便通や胃の調子に変化がないか
といったことを確認してみてください。
検査が必要な方は受診を計画し、すでに適切な検査を受けている方は、次回の検査時期を確認する。
このように、ご自身の健康管理を整理するきっかけとして年末を活用していただければと思います。
3.年末まで待たずに受診してほしい方

ここからは、特に知っておいていただきたい内容です。
症状や検査結果によっては、年末という区切りを待たずに医療機関へ相談する必要があります。
例えば、次のような場合です。
- 便潜血検査が陽性だった
- 血便が出ている
- 黒い便が出ている
- 原因の分からない貧血を指摘された
- 腹痛が続いている
- 胃の痛みや胃もたれが長く続いている
- 食べ物がつかえる感じがある
- 意図しない体重減少がある
これらの症状があるからといって、必ず胃がんや大腸がんというわけではありません。
しかし、症状だけで原因を判断することも難しいため、医療機関で相談することが大切です。
特に、大量の血便、吐血、強い腹痛、意識が遠のくようなふらつきなどがある場合には、通常の検査予約を待たず、救急医療を含めた早急な対応が必要になることがあります。
「今年中に検査を受ければよい」と考えるのではなく、症状に応じて受診時期を判断しましょう。
4.胃カメラ・大腸カメラは毎年受けた方がよいの?

ここで、検査の間隔についても確認しておきましょう。
胃カメラや大腸カメラは、毎年受ければ受けるほどよい、というものではありません。
胃がん検診の場合
国が推奨する一般的な胃がん検診では、50歳以上の方を対象に、2年に1回の胃カメラ検査が勧められています。
ただし、これは症状のない方に対する一般的な検診の考え方です。
以前の胃カメラで萎縮性胃炎を指摘された方や、胃がんの治療歴がある方などでは、必要な検査間隔が異なることがあります。
必要に応じては、当院でも毎年の胃カメラをお勧めする場合もあります。
大腸がん検診の場合
一般的な大腸がん検診では、40歳以上の方を対象に、年1回の便潜血検査が推奨されています。
一方で、便潜血検査が陽性だった方や、大腸ポリープの切除歴がある方などでは、大腸カメラが必要になることがあります。
便潜血検査が陽性の場合には、便潜血検査をもう一度受けて陰性になったとしても、最初の陽性結果が取り消されるわけではありません。
そのため、自己判断で検査を繰り返すのではなく、精密検査について相談することが大切です。
一般的ながん検診と、症状や異常を調べるための検査は、目的が異なります。
以前に受けた検査の結果を確認し、ご自身に合った検査について相談することをおすすめします。
5.福井市のがん検診は、年内に受けなければいけないの?

「今年のがん検診は、12月までに受けないといけないのでしょうか?」
という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
福井市の令和8年度の案内では、胃がん検診や大腸がん検診などの受診期限は、令和9年(2027年)3月9日とされています。
つまり、福井市のがん検診が、すべて12月末で終了するわけではありません。
ただし、検診の実施日や予約方法、受診できる医療機関、対象年齢などには条件があります。
また、会社の健康保険などを利用した検診では、別の期限が設定されている場合もあります。
そのため、受診券や案内を確認したうえで、余裕を持って予約することが大切です。
詳しくは、福井市の健康診査・がん検診案内をご確認ください。
6.検査を受けようと思ったら、まず確認してほしいこと

胃カメラや大腸カメラを受けようと思ったら、まずは次の点を確認してみてください。
- ・最後に検査を受けたのはいつか
- ・その際に異常を指摘されたか
- ・医師から次回の検査時期を説明されているか
- ・現在、気になる症状があるか
- ・普段飲んでいる薬や持病について
- ・検査前の準備に必要な時間を確保できるか
特に大腸カメラでは、検査前に食事の調整や下剤の服用が必要になります。
また、鎮静剤を使用する場合には、検査当日に自動車やバイク、自転車を運転することはできません。
血液を固まりにくくする薬などを服用している場合は、自己判断で中止せず、事前に医師へご相談ください。
同時に大腸のポリープを切除した場合には、1週間ほどの禁酒・激しい運動を控えていただく必要もあります。
検査を受ける日だけでなく、事前診察や検査後の予定も含めて考えておくことが大切です。
当院では、患者さんの体調や検査の目的などに応じて、検査方法をご相談いただけます。
詳しくは、胃カメラ検査のページ、大腸カメラ検査のページをご覧ください。
7.年内に検査を受けられなかった場合はどうしたらいいの?

「年内に予約が取れなかったら、来年でも大丈夫ですか?」
これについては、検査が必要な理由によって答えが変わります。
症状がなく、以前の検査結果などから定期的な検診を考えている場合には、検査の時期を医師と相談して決めることができます。
一方で、血便がある場合や便潜血検査が陽性だった場合などには、自己判断で何か月も先延ばしにしないことが大切です。
年内に受けることを目標にするのはよいことですが、年内に受けられなかったからといって検査をあきらめる必要はありません。
ご自身に必要な検査を確認し、適切なタイミングで受診につなげていきましょう。
よくある質問 Q&A

Q.胃カメラや大腸カメラは、年内に受けた方がよいのでしょうか?
すべての方が年内に受ける必要はありません。症状やこれまでの検査結果に応じて、適切な時期に検査を受けることが大切です。年末を健康状態を振り返るきっかけにしていただくのはよいと思います。
Q.便潜血検査が陽性でした。年明けまで待っても大丈夫ですか?
便潜血検査が陽性の場合には、精密検査として大腸カメラが勧められます。
症状がなくても、自己判断で長期間先延ばしにせず、なるべく早めに医療機関へ相談してください。
Q.胃カメラを今年に受けました。来年も受けた方がよいですか?
毎年受ける必要があるかどうかは、以前の胃カメラの結果や胃の粘膜の状態などによって異なります。
特に異常がなかった方と、萎縮性胃炎などを指摘された方では、次回の検査時期が異なることがあります。
そのため、医療機関で一度ご相談・ご確認いただくことをお勧めします。
Q.胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けることはできますか?
当院では、胃カメラと大腸カメラの同日検査にも対応しています。ただし、患者さんの体調や検査内容などによっては、別々の日に検査を受けていただくことがあります。ご希望の方は事前にご相談ください。
まとめ

いかがでしたか?
今回は、「年内に胃カメラ・大腸カメラを受けるメリット」についてお話ししました。
今回のまとめです。
- ・年内に検査を受けること自体に、特別な医学的メリットがあるわけではありません。
- ・年末という区切りを、検査歴や健康状態を振り返る機会にすることは大切です。
- ・必要な検査を先延ばしにしないことで、病気の早期発見につながる可能性があります。
- ・血便や便潜血陽性などがある場合には、年末を待たずに医療機関へ相談しましょう。
- ・胃カメラ・大腸カメラの検査間隔は、一人ひとりの状態によって異なります。
- ・福井市の令和8年度がん検診は、2027年3月9日までが受診期限です。
胃カメラや大腸カメラは、気軽に受けられる検査ではないかもしれません。
仕事やご家族の予定を調整したり、検査前の準備をしたりと、時間や手間も必要になります。
だからこそ、必要な方には適切な時期に検査を受けていただきたいと思っています。
今年の健康状態を一度振り返り、これからも元気に過ごすために、必要な検査について考えてみてください。
胃カメラや大腸カメラについて、検査が必要かどうか迷われている方は、お気軽にご相談ください。
「おなかの中からふくいを元気にする。」
ふくい内視鏡・胃腸クリニックでした。


