大腸ポリープは切除しても再発する?「同じ場所に出る」のか、「新しくできる」のかを解説
0.はじめに
こんばんは。
ふくい内視鏡・胃腸クリニック 宇賀治良平です。
さて、10月になりましたね。今年も残るはあと3ヶ月です・・
子供の頃と違い、本当に時間の早さの違いを感じます。
朝晩は寒くなってきたので、お出かけの際の服装もご注意くださいね!
さてさて、今回は、大腸ポリープ切除後のお話です。
大腸ポリープを一度切除した方から、診察室でよくいただく質問があります。
- 「ポリープを取ったのに、またできることはありますか?」
- 「次の大腸カメラでまたポリープが見つかったら、前に取ったものの再発しているということでしょうか?」
- 「一度ポリープができた人は、これからも何度もできるのでしょうか?」
確かに、「一度きれいに取ったのだから、もうできないのでは?」と思いますよね。
ただ、大腸ポリープについて使われる「再発」という言葉は、少し整理して考える必要があります。
前に切除した場所に病変が残っていたり、再び病変が確認されたりする場合もあれば、以前とはまったく別の場所に、新しいポリープができることもあります。
今回は、「大腸ポリープは再発するの?」という疑問について、できるだけ分かりやすく解説します。
1.結論:ポリープが「また見つかる」=前のポリープが戻った、とは限りません

最初に結論からお伝えします。
一度ポリープを切除したあと、次の大腸カメラでまたポリープが見つかることはあります。
しかし、それは必ずしも「前に取ったポリープが同じ場所から生え直した」という意味ではありません。
大きく分けると、次のような3つの場合があります。
- ・以前に切除した場所に、病変が残っていたり再び確認されたりする
- ・以前とは別の場所に、新しいポリープができる
- ・前回は非常に小さかったり見つけにくかったりした病変が、次の検査で確認される
みなさんからすると、どれも「またポリープができた」という印象になるかもしれません。
ただ、医学的にはそれぞれ少し意味が違います。
2.「再発」には2つの意味があります

大腸ポリープについて考えるときには、まず「同じ場所」と「別の場所」を分けると理解しやすくなります。
① 切除した場所に再び病変が確認される場合
以前にポリープを切除した場所に、病変が残っていたり、再び病変が確認されたりすることがあります。
これを「局所再発」と呼ぶことがあります。
特に、大きな病変を数回に分けて切除した場合や、病理検査で切除した端の評価が難しい場合などでは、切除した場所を通常より早い時期に確認することがあります。
② 別の場所に新しいポリープができる場合
一方で、以前にポリープを切除できていても、その後、大腸の別の場所に新しいポリープができることがあります。
こちらは、以前取ったポリープが復活したというよりも、「新しい病変ができた」と考える方が近いでしょう。
専門的には、このように時間をおいて新しく見つかる病変を「異時性病変」と呼ぶことがあります。
3.同じ場所にポリープが再び見つかることはある?

「せっかくポリープを取ったのに、同じところにまたできるの?」と心配される方もいらっしゃると思います。
きちんと切除できたと判断された病変が、必ず同じ場所に戻ってくるわけではありません。
一方で、病変が大きく、一度にすべてを切除することが難しかった場合などには、切除した場所に病変が残っていないか確認する必要があります。
例えば、
- 大きな病変だった
- 病変を何回かに分けて切除した
- 病理検査で切除断端の評価が難しかった
- 治療後に医師から早めの再検査を勧められた
といった場合には、一般的なポリープ切除後よりも短い間隔で大腸カメラを行うことがあります。
ですから、「次の検査が早い=悪い病気だった」というわけではありません。
切除した場所がきれいになっていることを確認するために、早めにチェックする場合もあります。
4.別の場所に新しいポリープができることもあります

患者さんが「ポリープが再発した」と感じるケースの中には、以前とは別の場所に新しいポリープが見つかった場合も含まれます。
一度ポリープができた方では、その後も新しいポリープが見つかることがあります。
ポリープができる背景には、年齢、遺伝的な要因、生活習慣など、さまざまな要素が関係すると考えられています。
そのため、ポリープを1個切除したからといって、
「これで一生ポリープはできません」
とは言い切れません。
反対に、次の検査でまたポリープが見つかったからといって、前回の治療が失敗していたとは限りません。
「前回のポリープが再度大きくなってきたのか」「新しいポリープができたのか」を分けて考えることが大切です。
5.またポリープが見つかったら、どうしたらいいの?

大腸カメラで再びポリープが見つかると、
「自分はポリープができやすいのかな?」
「これからも何度もできるのかな?」
と心配になる方もいらっしゃると思います。
大切なのは、今回見つかったポリープがどのようなものだったのかを確認することです。
具体的には、
- ポリープの大きさ
- ポリープの個数
- 形や見た目
- 病理検査を行った場合は、その結果
- どのような方法で切除したか
などを確認します。
例えば、「小さなポリープが少数見つかった場合」と、「大きなポリープもしくは複数のポリープが見つかった場合」では、その後の大腸カメラの経過観察の考え方が異なることがあります。
ですから、「またポリープがあった」ということだけで必要以上に心配するのではなく、今回どのようなポリープだったのか、次はいつ確認すればよいのかを医師に確認しておくことが大切です。
検査後の説明では、ポリープの数や大きさ、病理結果、次回の検査時期などを確認しておくとよいでしょう。
6.切除後も大腸カメラで確認することがあります

大腸ポリープを切除した後に、再び大腸カメラを勧められることがあります。
その目的は、単に「再発していないかを見る」だけではありません。
例えば、
- 切除した場所に問題がないか確認する
- 別の場所に新しいポリープができていないか確認する
- 前回は非常に小さかったり見つけにくかったりした病変がないか確認する
といった目的があります。
ただし、すべての方が毎年大腸カメラを受ける必要があるわけではありません。
日本消化器内視鏡学会のガイドラインでも、前回の大腸カメラで見つかったポリープの数や大きさなどによって、その後の検査間隔を変えて考えることが示されています。
例えば、10mm未満の腺腫が2個以内だった場合と、大きな腺腫や多数の腺腫が見つかった場合では、その後の検査時期についての考え方が異なります。
次の検査時期について説明を受けた場合には、その時期を覚えておくことが大切です。
7.患者さん自身ができること

大腸ポリープを完全に予防できる方法はありません。
そのため、「もう二度とポリープを作らないように、節制しなければ」と心配する必要はありません。
患者さん自身にできることとして、まずおすすめしたいのは、前回の検査結果を残しておくことです。
- いつ大腸カメラを受けたか
- ポリープはいくつあったか
- どのくらいの大きさだったか
- 病理検査の結果はどうだったか
- 次回はいつ頃の検査を勧められたか
こうした情報が分かると、その後の検査時期を考えるうえで非常に参考になります。
また、禁煙、飲酒を控えめにすること、適度な運動、体重管理、バランスのよい食事などは、大腸だけでなく全身の健康を考えるうえでも大切です。
そして、血便や便通の変化、原因の分からない貧血などの症状が出た場合には、予定していた次回検査まで待たずに消化器内科へご相談ください。
よくある質問 Q&A

Q.ポリープを完全に取れば、もう同じ場所にはできませんか?
きちんと切除できたと判断された病変が、必ず同じ場所に再びできるわけではありません。ただし、大きな病変を分割して切除した場合などでは、切除した場所に病変が残っていないか確認するため、比較的早めに再検査を行うことがあります。
Q.別の場所に新しいポリープができることはありますか?
はい、あります。以前に切除した病変とは別に、大腸の違う場所に新しいポリープができることがあります。そのため、前回の検査結果に応じて、適切な時期に大腸カメラで確認することがあります。
Q.またポリープが見つかったら、毎年大腸カメラを受けた方がいいですか?
必ずしも毎年受ける必要があるわけではありません。ポリープの数、大きさ、病理結果、切除方法などによって次回の検査時期は変わります。検査後に案内された次回の検査時期を確認してください。
Q.何度もポリープが見つかるのは珍しいことですか?
一度ポリープが見つかった方で、その後の大腸カメラでも新しいポリープが見つかることはあります。「また見つかった」ということだけで異常と考えるのではなく、どのようなポリープが見つかったのかを確認することが大切です。
Q.生活習慣を改善すれば、もうポリープはできませんか?
生活習慣を整えることは健康維持のために大切ですが、それだけで大腸ポリープを完全に予防できるわけではありません。年齢や遺伝的な要因なども関係すると考えられているため、生活習慣を整えながら、必要な方は適切な時期に検査を受けることが大切です。
まとめ

いかがでしたか?
今回は、「大腸ポリープは再発するの?」という疑問について解説しました。
まとめます。
- ポリープを切除した後でも、次の検査でポリープが見つかることはあります。
- 「またポリープが見つかった」からといって、前回のポリープがそのまま生え直したとは限りません。
- 切除した場所に再び病変が確認される場合と、別の場所に新しい病変ができる場合は分けて考えます。
- 大きな病変を分割して切除した場合などでは、切除した場所を比較的早めに確認することがあります。
- またポリープが見つかった場合には、数・大きさ・病理結果などを確認することが大切です。
- すべての方が毎年大腸カメラを受ける必要があるわけではありません。
- 次回の検査時期は、前回の検査結果によって変わります。
「ポリープがまた見つかった」と聞くと、前回の治療がうまくいかなかったのではないか、これからも次々にできるのではないか、と不安になるかもしれません。
しかし、大切なのは「再発したかどうか」という言葉だけではなく、どこに、どのような病変が見つかったのか、そして次はいつ確認すればよいのかを知ることです。
以前の検査結果を残し、ご自身に必要な時期に大腸を確認していきましょう。
ご自身の次回の検査時期が分からない場合や、以前切除したポリープの結果について気になることがある場合には、消化器内科へご相談ください。
おなかの中からふくいを元気にする。
ふくい内視鏡・胃腸クリニックでした。
参考文献・参考情報
- 日本消化器内視鏡学会 大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン
- 日本消化器内視鏡学会 大腸ESD/EMRガイドライン(第2版)
- 日本消化器内視鏡学会 大腸cold polypectomyガイドライン(大腸ESD/EMRガイドライン追補)


